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パーソナルトレーナー
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バックプレスを徹底解説
三角筋を鍛える代表的な種目であるバックプレスですが、間違ったやり方で肩を痛めてしまう人が多い種目でもあります。
この記事では、そんなバックプレスについて詳しく解説を行なっていきます。
まずは三角筋の構造を知ろう
引用:たかなが整体院
今回解説するバックプレスでは、肩の筋肉である三角筋を鍛えることができます。
この三角筋とは、読んで時のごとく、三角形のような形をしており、前部・中部(側部)・後部に細分分けることができます。
三角筋は面積の大きい筋肉であり、上肢の中でも最もサイズのある筋肉で、運動動作はもちろんのこと、日常生活でも無意識のうちに可動される筋肉です。
スポーツでの三角筋の働きは、ウェイトを上に持ち上げる動作や、ボールを投げたり、投擲種目における際の肩の外転と内旋の働きをします。
その他、ボールを投げる際に腕を振りますが、その腕のブレーキをかける役割も担っています。
肩や腕の動きのほぼすべての動作に関与している筋肉ということができます。
そして、バックプレスを行うことで、三角筋の前部をメインで鍛えることができます。
中部と後部も同時に鍛えることができますが、あくまでも補助筋としての稼働となります。
三角筋前部を鍛える事により、ものを前に押し出す力がつくほか、前から見た時のシルエットに迫力を出すことができます。
また、上腕二頭筋(力こぶ)を出した際にも強調されるのが三角筋前部であり、男性らしい力強い印象を与えることができる筋肉です。
バックプレスの正しいやり方
以下、バックプレスのやり方について解説していきます。
バックプレスは立った状態、座った状態のどちらでも行うことができますが、基本的には背もたれのあるベンチを使用して行う種目ですので、以下では座って行うバックプレスについてのやり方を解説します。
<やり方>
①ベンチに座る。
ベンチに背もたれがある場合には、まっすぐの状態にしておきましょう。
フリーウェイトで行う場合は、補助者がいると安心です。
②手幅を決める。
バーベルを持つ手幅は、肩幅より少し広めに取ります。
狭すぎると上腕三頭筋に刺激が入り過ぎてしまい、広すぎると可動域が狭まってしまいます。
③バーベルを挙げる
背筋をピンと伸ばした状態で、バーベルを挙げていきます。
バーベルを真上に挙げるようなイメージで肘を伸ばしていき、肘が伸び切る前でストップします。
④元の位置に戻す
バーベルを下ろしていきます。
三角筋前部への負荷が抜けないようにしながらゆっくりと下ろしていきます。
肘の角度が90度くらいになるところで止め、再び挙げていきます。
10回を1セットとし、これを3セット行いましょう。
<バックプレスのコツ>
①腕の筋肉を使わない
バックプレスは三角筋のトレーニングであり、腕を鍛えるための種目ではありません。
しかし頭ではわかっていても、実際には回数が増える中で、どうしても腕の力を使ってしまいがちです。
そこで、バックプレスを行う場合は、できれば補助者に入ってもらい、きつくなってきたところで補助に入ってもらいましょう。
三角筋の力だけで挙げるというイメージを最後まで持って行うことで、確実に三角筋に効かせることができます。
また、補助者がいなかったり、正しく行えるかが不安な人は、スミスマシンを使用しましょう。
スミスマシンはバーの軌道が安定しており、もし限界が来て挙げられなくなっても、バーをラックにかけることができるので、怪我の心配もありません。
②肘の角度に注意する
バックプレスなどのプレス系種目では、肘の角度が大事になります。
三角筋への負荷が抜けないようにすることを意識することが大事ですが、肘の角度が正しくないと、思うような効果を得ることができません。
まず、バーベルを挙げる際には、肘を伸ばしきらないということを意識しましょう。
肘が伸び切ってしまうと、その瞬間に三角筋への負荷が抜けてしまいます。
肘が伸び切る直前でストップし、バーベルを下げて行きましょう。
また、バーベルを下げる際には、肘の角度が90度になる位置まで下ろすようにしましょう。
目安としては、耳の位置くらいまで下ろしていくイメージです。
これより高い位置だとうまく三角筋をストレッチさせることができませんし、逆に耳より下の位置に下げてしまうと、三角筋への負荷が抜けてしまいます。
③反動を使わないこと
バックプレスはそれなりの重量を扱って行うことになる種目ですが、その際に気をつけたいのが、反動を使わないで行うということです。
ベンチに座って行う際には、どうしてもお尻を浮かせてしまったり、バーベルを振り上げるようにして挙げてしまいがちです。
バックプレスの目的は、バーベルを挙げることではなく三角筋を鍛えることです。
なので、反動を使ってしまっていると感じた場合には、扱う重量を下げてみるのもコツです。
また、スミスマシンであれば反動を使いにくくなりますし、フリーウェイトで行う場合では背もたれを使って背中を固定するというのも、反動を使わないという意味で効果的です。
反動を使わないで行うと、背中や腰に痛みが出てしまうような場合には、トレーニングベルトを使用するのもいいでしょう。
<参考動画>
三角筋を大きくするのにバックプレスが欠かせない理由
三角筋を大きくする上で、どうしてバックプレスが欠かせないのでしょうか。
三角筋を鍛える方法としては、バックプレスやショルダープレスのようなプレス系の他にも、ダンベルを使用して行うサイドレイズを始めとするレイズ系の種目もあります。
三角筋をバランスよく鍛えるためには、プレス系種目とレイズ系種目を両方行う必要があります。
人によってはレイズ系の種目しか行わない人もいますが、三角筋を本当に大きくしたいのであれば、ぜひバックプレスを行いましょう。
以下、三角筋の成長にバックプレスが欠かせない理由を解説します
高重量を扱える
まず、バックプレスの利点として、高重量を扱うことができる点が挙げられます。
胸の筋肉や背中、下半身の筋肉といった大きな筋肉は、高重量を扱うことでサイズを大きくしていきますが、これは三角筋にも同様です。
確かに三角筋を鍛える上では、回数を多くことなして負荷をかけるということも大事ですが、高重量を扱うことが筋肥大には欠かせません。
バックプレスで高重量を扱って三角筋に刺激を入れたあとで、サイドレイズなどのレイズ系種目を行えば、効率的に三角筋を鍛えることができます。
三角筋全体を鍛えることが可能
バックプレスは、三角筋の前部が主動筋となりますが、その他にも中部や後部も鍛えることが可能です。
肩のシルエットを作る上では、三角筋の各部位を鍛えることが大事です。
正しいフォームでバックプレスを行うことで的確な刺激を入れることで、三角筋は確実に成長していきます。
三角筋の成長は、肩幅の広さに影響を与えますので、大きい肩を手に入れたい方はぜひ行いたいところです。
バックプレスは怪我のリスクが高い種目なので注意が必要
バックプレスを行うことで得られるメリットは多いですが、怪我のリスクが高いということも意識しましょう。
以下、バックプレスを行う際の注意点について解説します。
肩関節を痛めるリスクがある
バックプレスはそれなりの高重量を扱って行いますが、その際に、肩の骨・筋肉・関節に大きな負担がかかります。
インピンジメントという言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。
インピンジメントとは、衝突という意味であり、腕を挙げる際に上腕骨と肩甲骨がぶつかる事により痛みが生じることをいいます。
インピンジメントが生じることで、腱盤の損傷が生じる可能性もあり、最悪の場合は手術をしないと治らないということもあります。
また、バックプレスを行うと、肩の関節にも負担がかかりますので、注意が必要です。
肩を痛めてしまう事により、三角筋のトレーニング以外の種目を行う際にも支障をきたします。
三角筋は、肩だけでなく腕を動かす際にも可動される筋肉ですので、腕のトレーニングや胸のトレーニング、またラットプルダウンなどの背中の種目を行う際にも痛みが生じることがあります。
その他、日常生活にも支障が出る可能性がありますので、肩のケアを十分に行い、違和感を感じた場合にはバックプレスを行うのをやめるようにしましょう。
高頻度で行わない
バックプレスで肩の怪我を防止するためには、頻度や回数を意識する必要があります。
三角筋のトレーニングにはプレス系とレイズ系の種目があると解説しましたが、レイズ系の種目はある程度回数とセット数をこなして三角筋を疲れさせるイメージで鍛えていく必要がありますが、プレス系の種目は重量を扱う種目ですので、回数とセット数はあまり多くしないようにしましょう。
バックプレスを行う際の目安としては、メインセットは10回を1セットとし、これを3セット行うようにしましょう。
バックプレスの頻度に関しては、週に何回も行う必要はなく、まずは週に1回のペースで行いましょう。
三角筋前部の使いすぎに注意する
バックプレスでは、三角筋前部を鍛えることができますが、三角筋前部は鍛えてから完全に回復するまで時間がかかりますので、あまり高頻度で鍛える必要はありません。
しかし、実は三角筋前部はベンチプレスやチェストプレスなどの大胸筋の種目を行うことにより刺激が入ります。
ですので、胸のトレーニングの翌日にバックプレスを行うと、疲労が抜けきっていない状態でトレーニングを行ってしまうということになりますので、避けるようにしましょう。
胸のトレーニングと同じ日に行ってしまうというのもいいでしょう。
ストレッチ・アップをしっかりと
肩の怪我を防ぐには、事前にしっかりとストレッチを行うようにしましょう。
肩の筋肉と関節をほぐして温める事により、可動域が出てきます。
また、メインセットに入る前の段階として、アップのセットをしっかりと行うようにしましょう。
軽い重量でバックプレスを行い、肩の動きを確認しながら調整していき、徐々に重さを上げていくようにしましょう。
慣れないうちはスミスマシンで
バックプレスをフリーウェイトのバーベルで行う際は、慣れない人だと安定感が出ずに、ぐらぐらとしてしまいます。
フォームを崩すことによりバランスを崩し、肩を怪我してしまう可能性があります。
バックプレスを行うのは、中級者以上でも難しい場合がありますので、まずはスミスマシンを使って行うといいでしょう。
スミスマシンであれば、バーの軌道が安定していますので、正しいフォームで行うことができます。
正しいフォームを覚えた上で、フリーウェイトに移行していくという流れで行うことをおすすめします。
スミスマシンがない場合には、背もたれのあるベンチを使う、あまり高重量を使わないということも大事です。
まとめ
以上、バックプレスについて解説してきました。
バックプレスは三角筋を大きくするためには欠かせない種目ですが、怪我のリスクもある種目であり、注意が必要な種目です。
今回解説した内容を参考にして、正しいフォーム・頻度・回数を守って行うようにしましょう。