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パーソナルトレーナー
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フロントレイズを徹底解説
三角筋前部を鍛える代表的な種目であるフロントレイズですが、シンプルな動きゆえに誤ったやり方でトレーニングしてしまっている人が多いのも事実です。
この記事では、そんなフロントレイズについて詳しく解説を行なっていきます。
まずは三角筋の構造を知ろう
引用:たかなが整体院
三角筋は肩の筋肉のことですが、字を読んでもわかるように、3つのパートから構成されています。
三角筋は全部・中部(側部)・後部の3つに分けることができ、これらすべてを一度に鍛えるのは難しく、各部位をそれぞれ鍛えていくのが効果的です。
今回解説するフロントレイズでは、三角筋の前部を鍛えることができます。
三角筋前部を鍛える事により、前から体を見たときのシルエットに迫力が増します。
また、機能面としては、手を前に出す動作や、ものを押す際に効果を発揮します。
フロントレイズの正しいやり方
<やり方>
以下、フロントレイズのやり方について解説していきます。
①足幅を決める
まずフロントレイズを行う際には、足幅を決めるところからスタートします。
フロントレイズは立って行う種目ですが、足幅がしっかり決まらないと力を入れることができませんので、意識しましょう。
足幅に関しては、肩幅と同じようにすることを意識しますが、必ずしも肩幅ジャストでなくてもよく、最も力がはいる幅を取りましょう。
また、背筋はピンと伸ばした状態をキープしましょう。
②バーベルを持つ
バーベルフロントレイズを行う際には、バーベルを持つ際の手幅も大事になります。
手幅が狭すぎたり広すぎたりすると、うまく三角筋前部を刺激することができませんので、注意しましょう。
手幅としては、肩幅よりも少し狭めた状態を意識するといいでしょう。
③バーベルを挙げていく
バーベルを挙げていきます。
手の甲が上に向くようにした状態で真上にバーベルを挙げていき、肩の高さと平行になるところまででストップします。
手を挙げたら今度はスタートポジションに戻していきますが、その際はゆっくりと戻すようにします。
三角筋前部への刺激が逃げないようにしながら戻すようにしましょう。
<フロントレイズのコツ>
①反動を使わない
バーベルを使ってフロントレイズを行う際、どうしても反動を使ってしまいがちです。
腰をあまりにも反ってしまう、バーベルを振り上げてしまうといったような動作を行うと、三角筋前部への刺激が逃げてしまいますので、しっかり背筋を伸ばした状態で、三角筋前部だけでバーベルを挙げるイメージで行いましょう。
②ネガティブ動作も意識する
バーベルでのフロントレイズを行う際には、バーベルを挙げる際だけでなく、戻す際の動作、つまりネガティブ動作も意識して行いましょう。
ネガティブ動作で負荷が抜けてしまうと、うまく筋肉に刺激を入れることができませんので、しっかりと負荷が乗った状態で戻すことを意識してください。
③目線は上を向くように
フロントレイズでは目線も大事です。
目線が下をむいた状態だと、背筋が曲がってしまい、三角筋よりも僧帽筋に刺激が入ってしまいます。
目線は真上を向く必要はないですが、斜め上を見るような感じで行うようにしましょう。
<参考動画>
フロントレイズ【応用編】
フロントレイズは上記で紹介したバーベルを使用しての方法以外にも、やり方がありますので解説していきます。
ダンベルフロントレイズ
<やり方>
以下、ダンベルを使用したフロントレイズのやり方について解説していきます。
ダンベルを使用する際でも、ポイントとなる部分はバーベルと同じですが、片手ずつでダンベルを持つことで両方の肩に均等に刺激を加えることができます。
①足幅を決めてダンベルを持つ
バーベルフロントレイズと同様に、足幅は肩幅と同じ位の幅に取ります。
足幅が決まったら両手でダンベルを持ちます。
持ちては順手となります。
手のひらが上を向いていることを意識しましょう。
②ダンベルを挙げていく
次にダンベルを挙げていきますが、ダンベルを挙げる前にダンベルを体につけずに離した状態からスタートします。
背筋を伸ばした状態で行い、ダンベルを振り回さないように注意しましょう。
ダンベルを使用する際には、背中が反ってしまう傾向がありますので、背筋を真っ直ぐにキープした状態で行いましょう。
両手を同時に挙げるのが基本ですが、バランスがうまく取れないという人の場合は、片方ずつ挙げていくという方法でもいいでしょう。
こうすることにより、片方ずつしっかりと三角筋前部に意識を持った状態で行うことができます。
ダンベルを挙げたときに、手の位置と地面が平行になる位置まで挙げていきましょう。
ダンベルを挙げた状態で、1秒から2秒静止して、戻していきます。
また、バーベルフロントレイズの際には手のひらが上になるようにして行いますが、ダンベルで行う場合には、親指が上を向いた状態にして、少し手首を斜めにしましょう。
③スタートポジションに戻す
ダンベルを挙げたらスタートポジションに戻していきますが、その際にはゆっくりと戻し、挙げる際と同じような軌道で戻します。
肘を曲げてしまうと、三角筋前部への刺激が逃げてしまうので注意が必要です。
<バーベルフロントレイズとの違い>
足幅や体の動かし方などの基本的な部分は、バーベルを使用した場合でもダンベルを使用した場合でも同じですが、両者の間には、微妙な違いがあります。
まず、バーベルとダンベルでは、手の位置の安定感に違いが生じます。
バーベルを持つ場合には、手の位置がしっかりと決まりますので軌道が安定します。
初心者の方がフロントレイズを行う際には、バーベルで行うことをおすすめします。
バーベルを使用してフロントレイズを行うことで、軌道が安定するというメリットがある一方で、どうしても左右均等に三角筋前部に刺激を入れることができないというデメリットもあります。
例えば利き手が右手の場合、無意識のうちに右手に強い力が入っており、結果的に右の三角筋前部により強い刺激が入ります。
刺激の違いにより、筋肉が成長した際に左右のバランスが崩れてしまう可能性があるので、バーベルでフロントレイズを行う場合にはこの点を注意する必要があります。
一方で、ダンベルでフロントレイズを行うことで、左右片方ずつに均等の刺激を入れることができます。
バランスよく三角筋前部を鍛えたい場合には、ダンベルでフロントレイズを行うことをおすすめします。
デメリットとしては、軌道が不安定な分、方の関節や筋肉を痛める可能性があるという点が挙げられます。
肩の筋肉や関節は非常にデリケートな部分ですので、怪我には十分注意しましょう。
ダンベルフロントレイズを行う場合には、まずは軽い重量で調整しながら行っていきましょう。
バーベル・ダンベルともに長所・短所がありますので、どちらかを一方だけを行うのではなく、両方を取り入れるといいでしょう。
<ダンベルフロントレイズのコツ>
①振り回さない
ダンベルはバーベルを使うよりも可動域に自由が増える一方で、より振り回しやすくもなっています。
上記で解説したように、反動を使ってフロントレイズを行うとうまく負荷をかけることができません。
三角筋前部に負荷が乗っているか、最後まで負荷が抜けていないかを意識し、高い集中力で行うようにしてください。
②膝を軽くまげる
ダンベルでフロントレイズを行う際、少し膝を曲げて行うようにしましょう。
膝を曲げて行うことで反動を使いにくくなり、背筋も反りにくくなり、フォームが安定します。
あまり深く曲げる必要はないので、自然な形で曲げるようにしましょう。
③ダンベルは少し斜めに構える
ダンベルフロントレイズの際、手の甲を真上に向けるのではなく、少し傾けた状態で行うようにすると、より三角筋前部に負荷が入ります。
手の甲を真上にしすぎると、僧帽筋に負荷が乗ってしまいますが、少し傾けることでバランスが安定します。
参考動画にも載せておきますので、正しい手の位置も覚えましょう。
<参考動画>
ケーブルフロントレイズ
<やり方>
①バーをセットする
まず、ケーブルにロープををセットします。
バーをつけたら、ケーブルをまたぐようにして、股の下からケーブルを通します。
上記で解説した、バーベルやダンベルを使って行うフリーウェイトでのフロントレイズと異なり、体は少し前に倒した状態でスタートポジションを取ります。
また、足幅についても肩幅よりも少し狭めに取ると体が安定します。
体は前に倒しますが、背筋はピンと伸ばして丸まらないようにしましょう。
②ケーブルを挙げていく
次にケーブルを挙げていきます。
バーベルやダンベルで行うフロントレイズの場合、手の高さは方と平行になるような位置まで挙げていきますが、ケーブルの場合は少し体を前傾して行いますので、肩の高さではなく、肩より少し高い位置まで挙げて行きましょう。
反動を使わないようにしてゆっくりと挙げることを意識してください。
ケーブルを挙げきった際には、1秒から2秒静止するのは、バーベルやダンベルを使用する場合と同じです。
③ケーブルを戻す
ケーブルを挙げたら、元の位置に戻しますが、三角筋前部への刺激が逃げないようにしながら戻して行きましょう。
刺激が逃げにくいというのがケーブルのメリットですので、このメリットを最大限に活かす必要があります。
<ケーブルフロントレイズのコツ>
①体は少し前傾で
ケーブルでフロントレイズを行う場合は、若干体を前に倒した状態で行いましょう。
極端に前傾する必要はないですが、バーベルやダンベルで行う場合よりも少し前に倒すように意識しましょう。
②ゆっくりと戻していく
ケーブルで行うフロントレイズのメリットとして、最後まで力が抜けにくいという点があります。
バーベルやダンベルでフロントレイズを行うと、疲労の蓄積に伴いどうしても力が抜けてしまう傾向にありますが、ケーブルではそうした問題が解消されます。
だからといって、勢いよく戻してしまうと負荷が抜けてしまうので、ゆっくり戻すということは忘れないようにしましょう。
ネガティブ動作でも負荷が抜けないことがフロントレイズでは大事なので、この点は特に意識しましょう。
③重量を意識しない
ケーブルでフロントレイズを行う際は、重量にあまりこだわらずに、以下に三角筋前部に負荷をかけることができるかを意識しましょう。
ケーブルで行う場合、フォームが安定しやすいので、バーベルやダンベルでフロントレイズを行ったあと、力が残っていない状態で追い込みをかける際にケーブルを使うといいでしょう。
<バーベルフロントレイズとの違い>
ケーブルを使用したフロントレイズとバーベルを使用したフロントレイズの違いとしては、まず軌道の安定性があります。
バーベルの場合でも軌道が安定しやすいですが、ケーブルは固定された状態になっているため、軌道が100%同じ状態で行うことができます。
軌道が安定することにより、狙った部分に刺激を入れることができます。
また、肩の関節や筋肉を痛めにくいというのもメリットですので、肩に不安があるという人にもおすすめです。
バーベルを使用する際とケーブルを使用する際では、フォームにも微妙な違いがありますが、その他にも刺激が逃げにくいというメリットもあります。
バーベルでフロントレイズを行う場合には、戻す際に刺激が逃げないようにと意識ていても、どうしても慣れないうちは刺激が逃げやすくなってしまいます。
一方で、ケーブルを使用してフロントレイズを行う場合は、戻す際もゆっくりと戻すことができ、三角筋前部への刺激が最後まで残った状態で行うことができます。
ケーブルでフロントレイズを行う場合には、あまり高重量を扱わずに、三角筋前部を疲れさせるようなイメージで行いましょう。
ダンベルやバーベルでのフロントレイズなどで三角筋前部を刺激したあとに、仕上げとしてケーブルを使用するのもいいでしょう。
使う器具を変えることで、入る刺激も微妙に異なってきます。
<参考動画>
ケーブルを使ったフロントレイズの参考動画を紹介します。
三角筋はデリケートなのでストレッチを入念に
三角筋は非常にデリケートな筋肉であり、あまり強い負荷を入れた意識がなくても、ちょっとしたことで痛めてしまう可能性がありますので、注意が必要です。
肩は筋肉以外にも関節を痛めやすい箇所となっていますが、肩を痛めてしまうと、胸のトレーニングや背中のトレーニングなど、様々な種目を行う際に影響を与えてしまいます。
三角筋を痛めないためにも、ストレッチをしっかり行いましょう。
三角筋前部のストレッチ方法
三角筋前部をストレッチする方法を解説します。
基本的なストレッチ方法としては、手を後ろで組み、背筋を伸ばして胸を前に突き出すようにすると、三角筋前部を伸ばすことができます。
三角筋前部を伸ばした状態で、数秒キープしましょう。
ダンベルを使ってストレッチする
もう1つ、三角筋前部をストレッチさせる方法として、ダンベルを使用した方法があります。
軽いダンベルを用意して椅子に座り、肘の角度を90度にして、ダンベルを上に挙げて行きます。
これはダンベルショルダープレスという種目の動きになりますが、ここでは三角筋前部を鍛えるのはなく、ストレッチさせることが目的ですので、軽い重量を行うということを意識しましょう。
ショルダープレスの動きを取ることで、肩周辺の血の巡りも良くなり、肩がポカポカとした感覚になりますので
ストレッチが終わったあとのウォーミングアップの種目としてショルダープレスを行うといいでしょう。
まとめ
以上、フロントレイズについて解説してきました。
肩のシルエットをきれいに見せるためには三角筋の各部位を均等に鍛える必要があります。
三角筋前部は、フロントレイズの他にも鍛えることのできる種目があり、またベンチプレスなどの胸の種目でも副次的に鍛えることができますので、胸のトレーニングと同じ日に行うのもおすすめです。