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目次
そもそも三角筋後部(リアデルト)とは?
参照:たかなが整体院
三角筋とは、分かりやすく言えば肩の筋肉です。
男らしい広い肩幅を作るにはこの三角筋を発達させる必要があります。
三角筋は前部、中部、後部の3つに分かれており、この3つはそれぞれ使用する動きが異なるため、トレーニングも分けて行う必要があります。
ここでは三角筋後部、通称リアデルトの鍛え方について解説していきます。
三角筋を効率よく鍛えるには、筋肉がどこから始まってどこにつながっているのかを理解することです。
上の画像のとおり、リアデルトは肩甲骨から上腕骨に伸びる筋肉ですので、トレーニングする際にはそれを意識して行うことがポイントになってきます。
リアデルトを使用する身体の動きとしては、肩関節の伸展と水平外転の2つが当てはまります。
肩関節の伸展とは、腕を垂直に下ろした状態からさらに後方に引くような動きのことを指しており、肩関節の水平外転とは、腕を正面に伸ばした状態から横方向に広げる動きのことを指しています。
リアデルトを鍛えると見た目はどう変化するの?
リアデルトを鍛えることで見た目はどのように変化するのか。
体の後ろ側にある筋肉は自分では目視しづらいため、見た目の変化を感じにくい傾向にありますが、リアデルトは体を横から見たときにも見える筋肉ですので、自分自身でも見た目の変化を実感しやすい部位と言えます。
リアデルトが発達してくると体を側面から見た際の肩の丸みと厚みが増し、後方から見た際には背筋群と相まってより立体感のある背中に見えます。
特に斜め後方からの見た目への影響が大きく、リアデルトを鍛えることでより力強くたくましい印象を与えることができます。
また、三角筋は前部、中部、後部のどこを鍛えても肩幅を広く見せることができる筋肉です。
広い肩幅は男性の理想の体型とされる逆三角形の上半身を作るためにはとても重要ですので、背中を大きく見せたい方や逆三角形のボディラインが欲しい方は重点的に鍛えると効果的です。
リアデルトはスポーツでも活かせる筋肉なの?
リアデルトを鍛えることで変わるのは見た目だけではありません。
三角筋は肩関節の動きに大きく関わってくるためスポーツにおいても大切な筋肉です。
身体の背面の筋肉であるリアデルトは、スポーツにおいては「引く」という動作に大きく影響します。
投てきの際には、速く遠くへ投げるための予備動作のタメをつくり、投げた後には肩関節のストッパーとして働くため、怪我を防止する役割もあります。
他にも柔道やレスリングなどの引き技や卓球やテニスなどのバックハンドのスイング、水泳ではクロールの腕の動作など、リアデルトは様々なスポーツで使用する筋肉です。
スポーツにおいてリアデルトを鍛えることは、パフォーマンスの向上と怪我の防止という大きなメリットがあります。
リアデルトの代表的なトレーニング5選
ここでリアデルトを鍛えるための代表的なメニューを5つ紹介します。
正しいやり方で効率よくリアデルトを鍛えていきましょう。
ダンベルリアレイズ
<やり方>
- 肩幅に足を開いて立ち、上半身を深く斜めに倒します。
- 前傾姿勢のまま両手にダンベルを持ちます。
- 腕をゆっくりと開いて小指からダンベルを挙げるように体の横まで持ち上げます。
- 肩甲骨は開いた状態を維持し、ヒジは動かさないよう注意しましょう。
- 両腕が床と平行になるぐらいまで上がったら、ゆっくりとダンベルを元の位置まで戻します。この時、可能な限りゆっくりと元に戻すように意識しましょう。
<ダンベルリアレイズのコツ>
①体の反動で腕を上げない
ダンベルを挙げる際に、体の反動で挙げている人を頻繁に見かけます。
体の反動でダンベルを挙げてしまうと三角筋後部に負荷が入らなくなってしまいます。
体は固定した上で、肩を起点に挙動するようにしましょう。
②小指をがなるべく上を向いている状態で挙げる
小指が上を向いている状態であれば、体の構造上リアデルトに負荷が乗りやすくなります。
反対に親指が上を向いている状態で挙げてしまうと、肩の前部に負荷が乗ってしまいリアデルトを鍛えることはできなくなります。
③腕は斜め上に挙げていくイメージ
腕を挙げる際に真横に上げようとすると体の構造上、僧帽筋や広背筋が可動してしまい負荷が逃げてしまいます。
斜め上に挙げることによって負荷をリアデルトに集中的に掛けることができるようになります。
<参考動画>
ライイングリアレイズ
<やり方>
- 両手にダンベルを持ち、トレーニングベンチうつ伏せになります。
- 腕は床面に垂直に降ろし、肘を少し曲げた状態で構えます。
- 腕をゆっくりと開き小指側からダンベルを体の横まで持ち上げます。
- 肩甲骨は開いた状態を維持し、肘の角度は固定しましょう。
- 両腕が床と水平になる高さまで上がったら、できるだけゆっくりダンベルを降ろしていきます。
<ライイングリアレイズのコツ>
①ダンベルは肩の高さまで持ち上げる
ライイングリアレイズではダンベルを肩の高さまであげることを意識します。
肩よりも低い位置で止めてしまうと、リアデルトの収縮が甘くトレーニング効果が半減してしまいます。
ダンベルを上げる回数を増やすよりも、回数は減ってもしっかりと肩の高さまであげることがライイングリアレイズでリアデルトを鍛えるためには効果的です。
②ダンベルを挙げる際は小指側から持ち上げる
ダンベルリアレイズと同じく小指側からダンベルを挙げていくことで、リアデルトにしっかりと負荷をかけることができます。
手の甲や親指側が上を向いた状態で挙げてしまうと三角筋前部や中部に負荷が逃げやすくなってしまいますので注意しましょう。
③肘を固定して肘から挙げるイメージ
肘を少し曲げることで肘への負担を軽減することができます。
また、ダンベルを挙げる際は「ダンベルを挙げる」というイメージではなく、「固定した肘を挙げる」というイメージで行いましょう。
その意識を持つことで余計な部位の力みが無くなり、よりピンポイントでリアデルトを鍛えることができます。
〈参考動画〉
リアデルトマシン
<やり方>
- マシンに座ってバーを握ったときに床面と腕が水平になるようにシートの高さを調節します。
- マシンに座りシートパッドに体の前面を当て、少し肘を曲げた状態でバーを握ります。
- 肘の角度は固定したまま、ゆっくりと腕を後方に広げていきます。
- 肘の位置が肩の位置よりやや後ろ、バー位置が肩の真横に来るまで広げていきます。
- ゆっくり息を吸いながら元の位置に戻していきます。この際も肘の角度は固定しておきましょう。
<リアデルトマシンのコツ>
①肩甲骨はできるだけ動かさない
フライマシンを使用したリアデルトのトレーニングでは、肩の水平外転と同時に肩甲骨を閉じていくことで、僧帽筋や広背筋を鍛えることもできます。
しかし、これでは負荷が分散してしまいますので、リアデルトを集中的に鍛えたい場合には、肩甲骨をできるだけ動かさず肩関節のみを動かすことを意識することが大切です。
これを意識することで扱える重量は下がりますが、より効率的にリアデルトを鍛えることができます。
②シートパッドに体の前面をしっかり当てる
体の前面をシートパッドに当てることで、体の反動が使えなくなります。
トレーニング時は無意識に反動を使ってしまうことがありますが、これでは扱える重量は上がっても負荷が分散してしまいがちです。
体の前面をシートパッドにしっかり預けることで、無意識に反動を使ってしまうことを防止することができます。
③リアデルトをしっかり意識する
フライマシンを使用したリアデルトのトレーニングでは、背筋群に負荷が逃げがちです。
リアデルトがしっかり伸縮していることを感じながらトレーニングに取り組むことで、ピンポイントで負荷をかけられる効率の良いトレーニングができます。
〈参考動画〉
アップライトロウ
<やり方>
- 足を肩幅程度に開き、肩幅より少し広い位置でバーベルを握って立ちます。
- 背筋はまっすぐ伸ばし、肘を少し曲げます。これがスタートポジションです。
- ゆっくり息を吐きながら、バーベルを胸の高さまで上げます。
- ゆっくり息を吸いながら、元の位置に戻します。
<アップライトロウのコツ>
①バーベルの握り方はサムレスグリップ
アップライトロウはダンベルでも行えるトレーニングですが、バーベルやケーブルを使用する際は、サムレスグリップという方法で握ります。
サムレスグリップとは、文字通り親指以外の4本の指で引っ掛けるように握る方法です。
サムレスグリップで握ることで前腕部への負荷を軽減し、よりピンポイントでリアデルトに負荷を乗せることができます。
②肘を伸ばしきらない
スタートポジションや動作終了時でも常に肘は少し曲げておくようにしましょう。
そうすることで、脱力することなく常に三角筋に負荷を乗せることができます。
③バーは上げ過ぎない
バーを挙げる際は胸の高さ、厳密には乳首の高さまでに留めましょう。
これ以上挙げてしまうと僧帽筋へ負荷が逃げてしまうため、リアデルトのトレーニングとしては効率が悪くなってしまいます。
〈参考動画〉
フェイスプル
<やり方>
- ひざを軽く曲げた状態で肩の高さにケーブルをセットします。
- 足を肩幅程度に開き、ひざを軽く曲げた状態でグリップを握ります。
- 肘を方の高さに保ちながら、自分の顔に近づけるように引いていきます。
- 肘が肩の真横に来るまで引き付けたら、元の位置に戻していきます。
<フェイスプルのコツ>
①ひざは軽く曲げておく
棒立ち状態ではケーブルの張力に対抗できず、状態を反らしてしまいがちです。
できるだけ三角筋のみにでケーブルを引くことで、フェイスプルの効果を最大限に引き出すことが出るので、ひざを曲げてクッションを作る必要があります。
②肘で大きな弧を描くイメージ
フェイスプルでリアデルトに効率的に負荷をかけるには、肘を開いてケーブルを引く必要があります。
肘を閉じてしまうと僧帽筋に負荷が逃げてしまうので、ケーブルを引くときは肘で大きな弧を描くイメージで引きましょう。
③ケーブルを引き過ぎない
肘が肩の真横に来る位置まで引きますが、それ以上は引かないようにしましょう。
それ以上の可動域では肩甲骨が寄ってしまい僧帽筋に負荷が逃げしまい、リアデルトのトレーニングとしては効率が悪くなってしまいます。
〈参考動画〉
まとめ
リアデルトに限らず身体の後ろ側の筋肉というのは、自重トレーニングでは鍛えにくい部位です。
また、普段は自分では見えないためサボってしまいがちな部位でもありますが、その分鍛えれば後ろからの見た目が大きく変わります。
今回はケーブルやベンチを使ったトレーニングも紹介しましたが、リアデルトはダンベルのみでも十分鍛えることができますので、横からや後ろからのボディラインが気になる方はぜひトライしてみてはいかがでしょうか。
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