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そもそもリーンバルクとは?
筋トレの目的は人によって違うと思いますが、体系を保ちながら筋肉を付けて細マッチョを目指したい、という場合はなるべく脂肪を付けないようにしながら筋肉を増やしていく、というのが理想的ですね。
そこでおすすめなのがリーンバルクと呼ばれる方法です。
リーンバルクとは英語で贅肉がなく引き締まった、を意味する「Lean」から来ており、体脂肪を可能な限りつけずに体系を維持しながら筋肉を肥大させるという増量方法です。
具体的には食事をしっかりと管理しながらトレーニングを行うことになりますが、今回はリーンバルクの原理や食事管理の方法を紹介します。
<参考記事>
リーンバルクのメリット・デメリット
では早速リーンバルクについて見ていきますが、まずメリットとデメリットについて確認します。
リーンバルクのメリット
リーンバルクのメリットはいくつか挙げることができますが、主に下記の3点がメリットです。
カッコイイ体型を維持できる
一般的にバルクアップというと筋肉量を増やしながら身体を大きくすることを意味します。
体重を増やすことで扱うウエイトを重くすることが出来るようになり、結果としてより強度の高い筋トレが出来るようになるわけですが、通常のバルクアップでは筋肉と一緒に脂肪も付けていくことになります。
しかし、リーンバルクは極力脂肪を付けず、筋肉だけを付けるというアプローチで筋肥大を狙いますので、体系を維持したままで筋肉を増やすことが出来るというのが最大のメリットです。
テストステロン値が高い状態を維持できる
テストステロンは男性ホルモンの一種で、男性らしさを司る役割をしています。
筋肥大にも大きく影響があり、テストステロンの分泌量を増やすことが筋肥大させるために重要となります。
このテストステロンの値は体脂肪率が増えると下がってしまうことが分かっており、体脂肪を15%以下に抑えるのが理想的です。
脂肪も筋肉も同時に増やしてバルクアップすると体脂肪率が上がり、テストステロン値が下がってしまうことが考えられますが、脂肪はつけないリーンバルクの場合は体脂肪率が上がりませんので、テストステロン値を高い状態でキープすることができます。
減量が楽
一般的なバルクアップは筋肉と一緒に脂肪も付けていき、減量期を設けることでついてしまった脂肪を落とすことになります。
しかし、一旦ついた脂肪を落とすのはかなりの努力が必要となります。
リーンバルクの場合、極力脂肪を付けないようにしながら筋肉だけでバルクアップをしますので、減量期で体脂肪を落とすことが簡単になります。
リーンバルクのデメリット
このようにリーンバルクは体型を維持しながら筋肉だけで増量することが出来て、強度の高いトレーニングに臨める理想的なバルクアップの方法ですが、デメリットもあります。
食事管理が大変
リーンバルクのための条件はしっかりとした食事管理です。
脂肪を付けず、筋肉の材料となるタンパク質を必要なだけ摂取する食生活が必要ですが、偏った食事になるとミネラルやビタミンが不足したりしてしまいがちです。
そのため、身体に必要な栄養素まで考慮した上で食材を選び、食事の内容や摂取カロリーを管理していくことになります。
これをきちんとやろうとするとお金もかかりますし、時間もかかってしまいます。
バルクアップのスピードが遅れる危険性
リーンバルクは脂肪をつけないようにしながら筋肉を増やして増量する、という方法ですが、脂肪と筋肉を一緒につけながらバルクアップする方法の方が増量しやすいので、通常のバルクアップと比較して筋トレで扱うことができる重量は低くなってしまいます。
結果として筋肉に与える負荷が軽くなりますので、筋肉を肥大させるスピードは遅くなる可能性があります。
脂肪を付けないリーンバルクと対照的なバルクアップの方法としてダーティバルクという方法があります。
ダーティバルクとは?
ダーティバルクは食事の内容を特に管理せず、筋肉と脂肪でとにかく増量するという方法です。
英語で汚れている、を意味する「Dirty」が由来ですが、体型の維持等を考慮せず、増量して扱うウェイトを重くして筋肉の増量したい、という場合はリーンバルクよりも効率的に筋肥大を狙うことができる方法です。
<参考記事>
ダーティバルクのメリット
ダーティバルクはリーンバルクと違って制限が少なく、リラックスバルクと言われる場合もあります。
ダーティバルクのメリットとして下記のようなことが挙げられます。
好きな食事ができる
ダーティバルクで気を付けなくてはならないのは、タンパク質を必要な量摂取すること、必要な栄養素をきちんととることの2点だけです。
この2点を満たしていれば食事の内容については気にせずに好きなように食事をすることができます。
リーンバルクの場合は脂肪につながる脂質や糖質は制限が必要になりますので、ジャンクフードや甘いものなどは避ける必要がありますが、ダーティバルクの場合は好きな食事をしてもOKです。
筋肉量の増加が安定して見込める
ダーティバルクでは脂肪と筋肉で体重を増やしていきますので、ウェイトアップした分重いウエイトを扱った負荷の高い筋トレを行うことができます。
そうすると筋肥大のスピードが上がり、筋トレの効果も体感しやすくなりますので、モチベーションの維持にも繋がります。
ダーティバルクのデメリット
利点が多いように思えるダーティバルクですが、デメリットがあることも確認しておきましょう。
見た目がだらしなくなる
ダーティバルクの最大のデメリットは体型が変わってしまうことです。
バルクアップを優先して好きなだけ食べる、ということになるので筋肉も増えますが脂肪も増えます。すると見た目もだらしなくなってしまいます。
その分筋トレ効果は上がるのですが、体型を維持したい、という人にはダーティバルクはおすすめできません。
減量が大変
ダーティバルクでは脂肪もつきますが、つき過ぎた脂肪を減量期に落とすのはなかなか大変です。
減量期になったら有酸素運動や食事制限を行って脂肪を落とすことになりますが、一旦ついた脂肪は落ちにくいということを理解しておきましょう。
リーンバルクのカロリー計算
リーンバルクを実際に行う場合、食事制限が重要になることは前述しましたが、具体的な方法を説明します。
ここでは除脂肪体重から摂取するカロリーを決める方法について説明します。
除脂肪体重を算出
まず、除脂肪体重を算出します。
除脂肪体重とは体重から体脂肪の重要を抜いたものです。
体重が70㎏で体脂肪率が20%の人の体脂肪は14㎏になりますので、下記のようになります。
- 体重70㎏ー体脂肪14㎏=除脂肪体重56㎏
ベースカロリーの算出
次にベースカロリーを算出しましょう。
ベースカロリーは体重を維持するために必要なカロリーです。ベースカロリーよりも摂取するカロリーが少ないと体重は減少してしまいますので、バルクアップするためにはベースカロリーよりも摂取カロリーが多くなるようにする必要があります。
ベースカロリーは除脂肪体重に40kcalを掛けることで求められます。
除脂肪体重56㎏の人の場合だと下記のようになります。
- 除脂肪体重56㎏×40kcal=ベースカロリー2240kcal
必要なカロリーを算出
筋肉を1㎏増やすためには5000kcalが必要になります。
1年でつけることのできる筋肉の量はトレーニング歴によって大体決まっている、と言われています。1年目が最大の10㎏で、以降は1年経つことに半分になるというのが目安です。
- 1年目 10㎏
- 2年目 5㎏
- 3年目 2.5㎏
トレーニング2年目の人の場合、1年間で最大5㎏の筋肉を付けることができるということになりますが、その場合に必要となるカロリーは下記のようになります。
- 5㎏×5000kcal=1年間に必要となるカロリー:25000kcal
つまり、ベースカロリーよりも1年間に25000kcalを多く摂取すればよいことになりますが、1年間だとわかりにくいので365日で割り、1日あたりに換算すると、以下のようになります。
- 25000kcal÷365日=1日に必要となるカロリー:約68.5㎏
ベースカロリーが2240kcalあったため、リーンバルクを行うために摂取するべきカロリーはベースカロリーに68.5kcalを足した2308.5kcalになります。
リーンバルク中の食事
リーンバルクを行う上で摂るべきカロリーの計算方法がわかったところで、食事内容で意識するべきもにPFCバランスがあります。
PFCバランスとは、Protein(タンパク質)、Fat (脂質)、Carb(炭水化物)のバランスを指しています。
摂取カロリーだけではなく、PFC=三大栄養素のバランスを意識しながら食事を摂ることになります。
特にリーンバルクでは筋肉で増量することになりますので、筋肉の材料となるタンパク質を十分な量摂る必要があります。
目安としては体重×2gから3gになります。
おすすめの食材
では、実際にリーンバルクの際の具体的な食材についても見ていきましょう。
価格もリーズナブルで入手しやすい食材を選んでみましたので、メニューが単調にならないように工夫しましょう。
鶏肉
鶏肉は価格が安く、タンパク質を多く含んでいるのでリーンバルクの際にはお勧めの食材です。
タンパク質の代謝を促進するビタミンB6を豊富に含んでいるので、筋トレをサポートするには理想的な食材です。
また、脂質が少ないのでカロリーを管理しやすいというのもあります。
イワシ
いわしは豊富にタンパク質を含み、脂質も十分です。筋肥大を目指す際の食材として優れています。
缶詰で安価に買うことができますし、調理の手間がないのもおすすめの理由です。
卵
卵は1個につき7gのタンパク質を含んでいる筋トレ向きの食材です。
リーンバルクの場合、カロリーを制限するなら白身だけを食べるようにしてください。
チーズ
チーズも入手がしやすく、高タンパク質食品です。
おすすめなのは高たんぱく、低脂質のカッテージチーズやモッツァレラチーズです。
チーズにはゆっくりと吸収されるガゼインプロテインが多く含まれますので、継続的にタンパク質を吸収することができます。
ナッツ類
ナッツには身体に良い不飽和脂肪酸が多く含まれている他、タンパク質もかなり豊富なのでリーンバルクの際におすすめの食材です。
入手のしやすさという意味ではクルミ、アーモンド、ヒマワリの種などがおすすめです。
まとめ
リーンバルクは食事管理にお金や時間がかかりますが、体型を変えずに筋肉だけで増量できるのと減量の必要がないので、カッコいい体型のまま増量したい人にはおすすめのバルクアップ方法です。
カロリー計算をしっかりと行い、三大栄養素のバランスを摂りながら食事制限をしましょう。もちろん、トレーニングで筋肉をしっかり追い込むことも重要ですよ。
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