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目次
ワキガの原因
ワキガの定義
そもそもワキガとはどういう状態のことを指すのでしょうか。
ワキガの定義は非常に曖昧で、医師や病院によっても若干異なる場合がありますが、体臭や多汗、ワキガ治療を中心に行う五味クリニックの五味常明院長は、次のようにワキガを定義しています。
わきが(ワキガ)とは、腋下部にアポクリン腺という汗腺が存在し、その汗腺が発する臭いを本人が明確に自覚して、悩んでいる状態
出典:五味クリニック
わかりやすくいうと「脇汗の悪臭に悩んでいる状態」です。
「自覚があり、そのことに悩んでいる」というところまできて始めて、ワキガであると言えます。
ワキガの原因になる汗とは
ワキガの原因は、アポクリン腺という汗腺(汗の出る穴)から出る汗や、そこに含まれる老廃物にあります。
ワキガは脇下部にあるアポクリン腺から出る分泌物を様々な細菌が分解することによって発生する臭いが原因のひとつと言われています。
出典:スキンケア大学
つまり、腋から出る汗に対策をしたり、発汗そのものを抑える、腋そのものを清潔にしておくなどの方法によって、ワキガの臭いは抑える事ができます。
ワキガが遺伝する確率
ところで、「ワキガは遺伝する」という話を耳にしたことはありませんか?
脇の下って、ワキガじゃない人はアポクリン汗腺浮かんでこないから凹んでるんだな…知らなかった…
うちは全員ワキガ家系です。
でも、対策すれば他の人から全然気づかれませんね〜— 7hiro(ななひろ) (@hiro_saitoh) September 6, 2016
子供の頃はデブだからかなと思ってたけど、デブでも臭わない人は臭わないし、痩せててもやばい奴はやばいからこれがワキガか…と大人になってから理解した…母親も同じ臭いがするので遺伝だと思うんだけど、奴はデブだからと言って聞かない。
— よしまち (@HA_niwa_O) September 21, 2016
あなたの家族にワキガがいたら、自覚がないだけであなたもワキガかもしれません。
両親ともワキガなら80%の確率で遺伝?

くせっ毛なども直毛に対して優性遺伝なので遺伝しやすいです。
結論から述べるとワキガは遺伝します。
しかもワキガという体質は、「優性遺伝」と呼ばれる親から子に受け継がれやすいトピックです。
片方の親がワキガの場合、その子どもにワキガが遺伝する確率は50%、両親がワキガの場合には80%もの確率でワキガになります。なぜそんなにも高確率で遺伝するのかというと、ワキガは「優性遺伝」するからです。
出典:スキンケア大学
「優性遺伝」と聴いてもピンと来ないかもしれませんが、「親から子へ遺伝しやすい」ということです。
特に両親が共にワキガの場合は要注意です。
この場合、父親母親のどちらかがワキガの時よりも子どもがワキガ体質に生まれてくる確率は上がります。
ワキガか心配になったらチェックしよう
「自分がワキガかもしれないけど、自分の体臭はよくわからない」という方は、以下のような方法でセルフチェックが出来ます。
耳垢が湿っているとワキガ確率が高い!

体臭予防に後ろを洗う以外に、耳垢も重要な参考資料になるのです。
耳垢の湿り具合はワキガかどうかの目安になります。
冒頭で紹介した五味院長もこの件に関してこう述べています。
ワキガの自己診断の中でも「耳垢」の状態が最も信頼度の高い指標となりますので、ここで詳しく説明します。
通常エクリン腺の存在しない外耳道が湿っているということは、もうひとつの汗腺であるアポクリン腺からの汗が原因であり、耳の中にもアポクリン腺の瘢痕(瘢痕ですから耳が臭うわけではありません)が存在するということの証明となります。
アポクリン腺が外耳道にあるということは、一般的に体の中で最もアポクリン腺が多い場所である腋の下にも多くのアポクリン腺がある、つまりワキガ体質ということが類推できるのです。
この判定法はかなり精度が高くわたしのクリニックでの統計ではほぼ9割以上の確率でした。
出典:五味クリニック
ただし、「耳垢が乾いているからワキガではない」とは限りません。
あくまでも湿った耳垢だとワキガの確率が高いだけなので、パサパサの耳垢だから自分はワキガじゃないとは言い切れません。
衣服のワキ下が黄色くなっていればワキガ体質
汗を出す汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。エクリン腺は全身にある普通の汗腺で、サラサラした汗を出し色も臭いもありません。
ところが、脇汗を出すアポクリン腺からは、水分以外にアンモニアや脂質、糖質、タンパク質、そして黄ばみの元となる「リポフスチン」と言う成分等が出るため、服が黄ばんでしまうのです。
出典:マーミー
ワキガの人はアポクリン腺が多いので、衣服の黄ばみも大きくなります。
耳垢はなかなか他人と比較しづらいものですが、衣服の黄ばみならどうでしょうか。
夏場などは特に、他人との比較もしやすく、自分の脇汗を客観視しやすいです。
ただし、ワキガ以外にも衣服のワキ下が黄色くなるパターンはたくさんあります。
具体的には制汗剤が体質に合わず汗と科学反応を起こした場合や、汗腺機能の低下によってエリクン腺からミネラルや鉄分が含まれた汗が出るなどです。
この結果だけで判断せず、他の方法と合わせて考えることが重要です。
ガーゼチェック
医療機関などではガーゼを用いたテストでワキガかどうかを判断します。
これはガーゼをワキにはさんで数分汗ばむ運動(階段昇降など)をしたあとに医師やスタッフがガーゼのにおいをかいで判定するというもので、下記のように分類します。
- レベル1 におわない
- レベル2 ごくわずか
- レベル3 鼻を近づけるとわかる(軽度)
- レベル4 鼻を近づけなくてもわかる(中等度)
- レベル5 手に持っただけでわかる(重度)
出典:日本橋形成外科
医師でも「実際に嗅ぐ」という方法で臭いを測っているんですね。
細かいレベルの見極めは難しいかもしれませんが、1か2か以上かは素人でもわかりやすいのではないでしょうか。
病院が実践している方法ということで、確率的にも一番確かなチェック方法です。
ワキガの治しかた
ワキガに悩む方、自分がワキガだと知った方は対策によって臭いを抑えることが出来ます。
まずは生活習慣と専用商品で対策
ワキガ対策には、規則正しい生活習慣や、適度な運動(汗を流して汗腺を鍛える)、ストレスの少ない生活が重要です。
また、身体の内面のケアだけでなく外側、つまり皮膚そのものに対するケアも重要です。
半身浴や、体臭予防に効果のある石鹸などを使うことで、清潔で臭わない皮膚を作りましょう。
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香水のように「香りが楽しめるボディソープ」ではなく、薬用の体臭予防・対策を銘打った石鹸がオススメです。
デオドラントを使う
「デオドラント」と聴くと馴染みが薄いですが、制汗剤や「腋スプレー」と言い換えると耳にしたことがありませんか?
ワキガの強烈な臭いを抑えるには、テレビCMで宣伝されているようなデオドラントでは力不足です。
ああいった商品は一般的な汗臭さ(日本人の普通レベルの汗臭さ)を抑えるには効果がありますが、ワキガの対策としては不十分かつ、根本的な解決にはなりません。
[デオシーククリームコード]
ワキガや加齢臭などの強い臭いにデオドラントを使う場合は、専門店や通販などを利用して、「強い臭いにも効く」ということをアピールしている商品を選ぶようにしましょう。
それでもだめなら手術も視野に
金銭的にも精神的にもハードルは高いですが、確率的には一番成功しやすく、短時間で出来るのが手術です。
次の項目で詳しく説明します。
手術でワキガが治る確率は?

手術でアポクリン汗腺そのものを摘出するという力技。
手術によるワキガ治療とは、臭いの原因となる人体の部分を取り除くアプローチです。
ワキガの手術は原因となるアポクリン腺をはじめエクリン腺、皮脂腺を除去することでにおいの元はもちろん、影響を与える要因にまでアプローチできるのが大きな特徴です。“効果が続く”という点からも有効的で、軽い症状から重い症状まで幅広く対応できる治療と言えます。
出典:スキンケア大学
一口に「除去」すると言っても複数のやりかたがあり、手術の方法や病院、担当医によっても値段や成功する確率は大きく変わります。
予算や自分の臭いの強さに応じて、最も成功確率が高い手術ができるようにしましょう。
ワキガ手術の術後臭が出る確率は?
残念ながら現在のワキガ手術は、100%の確率でワキガ臭を除去出来るものではありません。
ワキガの手術をすると無臭無汗になると思っている方は、意外と多いかもしれません。しかし手術で全ての汗腺を取り除くのは不可能なことに加え、破壊した汗腺の5~10%は再生する可能性があると言われています。
出典:スキンケア大学
注意点は、ワキガが再発する確率が5%から10%ではなく、手術で破壊した汗腺の5%から10%が再生する可能性がある、ということです。
つまり、元のワキガ臭が強い人は、手術後も薄くこそなれど人より臭うようになる確率が高いです。
再手術も可能ですが、慎重に病院や手術方法を選んで、再発することのないようにしたいですね。
まとめ
- ワキガとは「アポクリン腺から出る臭いに悩んでいる状態」を意味します。
- アポクリン腺から出る汗の対策をすることがワキガには重要です。
- ワキガは優性遺伝なので、確率的に遺伝しやすいです。
- 両親がワキガなら、あなたがワキガの確率は80%を超えます。
- 自分がワキガかどうかは、耳垢や衣服のワキの黄ばみなどでセルフチェックが可能です。
- 医療機関でもガーゼを挟んで調べるので、自分でやってみてもいいでしょう。
- 規則正しい生活や食習慣で臭わない汗が出るようにしましょう。
- 体臭予防・対策に効く石鹸やデオドラントを使うことも有効です。
- ワキガを抑える手術もありますが、成功しても無汗無臭にはなりません。
- 臭いは弱くなるものの、それでも人より強い悪臭がすることもあります。病院選びは慎重に行いましょう。
ワキガは遺伝しやすいものですが、たくさんの対策方法があります。
自分にあった方法で、不快感を与えない体臭を目指しましょう。
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